「とめ、はね、はらい」文字の要素を凝縮した永字八法

習字

【永字八法】エイジハッポウ
「永」一字に運筆の八法がそなわっており、その八法にすべての文字の筆法が含まれているということ。『漢語林』より

私が筆で初めて書いた字が、「永」という字です。
当時はお稽古の度に「永」の字を書きました。
正直なところ、どうしてお稽古の初めに「永」を書くのか、意味は良くわかりませんでした。
おまじない のような気持ちで書いていたかもしれません。
色々な字が上手に書けますように。清書(先生に提出する本番書き)が上手にかけますように・・・と。

今でも、そんな気落ちで書いています。
まず初めに「永」の字を書いて、今日のコンディションをみます。

今日はいい感じ!
今日は気持ちが乗ってないな~、などなど・・・。

 

文化庁の「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」(平成28年2月29日)には、「漢字の細部のとめ,はね,はらいなどが,字体の違いに影響し,文字の判別に関わってこないのであれば,その有無によって正誤を分けることはしません。」とあります。

簡単にいうと、「とめ、はね、はらい」が多少違っていても、どんな字を書いているのかが分かればバツにはしませんよ、ということです。

ただ、自分の手で文字を書く機会も少なくなった時代だからこそ、せっかく書くのだったら、「とめ、はね、はらい」もきちんと意識して書いた方が、楽しいのではないかなと思います。